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カフェバグダッドが収集した中東イベント情報です。リンクフリーです。


by cafebaghdad

写真展「イラク24時」(東京)

日時:平成26年7月26日(土)~8月7日(木)
    10:00~16:00(土・日も開館)
会場:国士舘大学 世田谷(梅ヶ丘)キャンパス内 イラク古代文化研究所展示室
所在地: 〒154-0022 東京都世田谷区梅丘2-8-17 地域交流文化センター2階
ウェブサイト: http://www.npo-sam.org/iraq24/dates.html

『イラク24時』開催の意義
私ども国士舘大学イラク古代文化研究所は、町田キャンパスに設立されて以来およそ40年、メソポタミア文明の研究に携わってきました。私たちの身近にある都市という高密度な社会装置がはじめて誕生した土地-メソポタミア。多様な文化の芽がその地で育ちました。現代イラクの国土にはその証拠と痕跡が刻まれているのです。
イラク戦争が終結して10年余、混乱していた社会もしだいに落ち着きを見せ、人々は生活を取り戻しつつあるように見えます。けれども遺跡の荒廃はまだ続いており、略奪されて未だ戻らない文化財のことも合わせ、イラクの文化遺産事情を改めて考えたいという思いを込めて、この展示会の開催を私たちは受け入れました。
ユネスコの「世界遺産条約」は、そのような文化遺産の滅失が世界じゅうの国民に貧困化をもたらすことを踏まえ、「遺産の保護に参加することが、国際社会全体に課された義務であること」を条約の前文にうたっています。私たちは2009年にも、イラク戦争に伴う遺跡の荒廃とバグダッドのイラク国立博物館の略奪被害を訴える写真展「“CATASTROPHE!”~イラク文化遺産の破壊と略奪~展」を開催しました。シカゴ大学オリエント研究所から資料提供を受けた企画でした。今回の写真はイラク国内の写真家協会から提供を受け、その多くはごく最近のイラク国民の日常生活を取り上げています。

こうした平和な生活がなければ、人々の間に「遺跡を大切にしよう」という意識が育つことはありません。生活の向上がなければ、文化遺産を守っていこうという行動も生じないにちがいないのです。同時にメソポタミアの遺産を保護し未来に伝え残していくことは国際社会の責任でもあり、私たちがイラクの人々の日常を知ることはその第一歩だと考えています。みなさま方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

今回の展示にあたり、在京イラク大使館はじめ後援をいただいた多くの機関、ならびに展示の企画と実行に労を惜しまれなかったNPO法人Save the Asian Monumentsには心より感謝申し上げます。

国士舘大学教授・イラク古代文化研究所所長
岡田保良
by cafebaghdad | 2014-07-24 17:52